のすけ

ストレイト・ストーリーののすけのレビュー・感想・評価

ストレイト・ストーリー(1999年製作の映画)
4.2
数年ぶりに鑑賞。
やっぱ最高。素晴らしい映画。
多くを語らず多くを考えさせてしまう数少ない映画。

最後の無言ぶりがまたいいんだな。社会にいると有言実行こそが素晴らしいと評価されるが、不言実行の中にとてつもなく純粋で強い信念が見える映画。

途中で挟まれる映像と音楽も最高。
そして最後上に行くカット。空は繋がっているからなー。ずっとその空を見続け思いを馳せてきたんだろう。二人とも。
最後に歩んできた長い長い道のりを振りかえるのではなく、上(空)を見上げて終わる。感慨深いなー。
これだけ言葉少なく、人を感動させる映画は珍しい。

言葉とは5つあって、①話し言葉、②書き言葉、③態度、④表情、⑤行動。
③④⑤も言葉。
普段社会にいると、①と②だけが重要視されてしまうけど、メラビアンの法則にあるように言葉そのものの持つ意味はたったの7%しかない。残りの93%をどう表現するのかが大事であって、この主人公は⑤の『行動』のみで相手に100%想いを伝えたことになるんだろうな。

過去に何か重大な問題や過ちがあった時、いくら話し言葉や書き言葉で伝えても伝わらないことは誰しもあるはず。そういった場合、最後は行動しかないんだろうなー。

だからこそ、この映画は言葉(話し言葉)が圧倒的に少なくて、少ないからこそ成立し、少ないからこそ名作なんだろうなー
行動の力とはこういうことを言うんだろうなと感じさせてくれる名作。