夕

平成狸合戦ぽんぽこの夕のネタバレレビュー・内容・結末

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

たぬきたちのデザインが大まかに3パターンあって、人間風になる時と写実的になる時に意識される目線の移動はかなり面白かったし制作側の意図も伝わりやすい良い手段な気がする
でも3つ目のアホみたいな線の少ないフォルムのたぬきが一番食わせ物な気もする
あの絵柄はかれらたぬきが喜びに浮かれ知能が低下してる時や疲れ果てたり戦いに敗れたりしてのびてる時に不意に現れる
そして集団で一気にあの絵柄になるとみんながそれまで持ち得たささやかな性格的,見た目的な特徴すらも失われてどれがどれたかわけがわからなくなる、もちろん人間側にこんなふうな描写はない
このフォルムが出てくるたびに、人間に勝負を挑むたぬきたちの勝ち目のなさを意識させられてしまう
そして最終的に生きるために人間社会に溶け込んだ変化たぬきたちの生活があのような手放しの享楽に身を投げる時間と程遠いようなものに映り、一周回って人間たちへの同情のようなものすら生まれる
妖怪変化したたぬきたちを見る多摩ニュータウンの団地の人たちがなんだか良かった
当時あそこに移り住んだ人たちは開発における自然破壊についてどう思ってたんやろう
夕