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グレート・ディベーター 栄光の教室のkojikojiのレビュー・感想・評価

3.9
No.1575
2023.12.13 視聴
デンゼル祭りは続く
デンゼル-39(2007年作)

さて、つぎはデンゼルの感動作!
デンゼルワシントン監督作品の「アントワン・フィッシャー」(2002)に続く監督2作目である。

黒人差別を扱った物語。物語の展開から「感動作」の作りが見え見えではある。しかしわかっていてもやられてしまう。これが映画の力だろう。監督自身がカッコ良すぎるのが、途中まで少し気になってはいたが、案の定最後は涙が溢れた。

 映画は実話である。
 1935年人種差別が色濃いテキサス州。ワイリー大学の教授メルヴィン・トルソン(デンゼル)は、差別のない世の中を実現させるための学生の育成の一環として、ディベート部を学内に起ち上げる。

 部員にはサマンサ、ヘンリー、ハミルトン、それに学園長の息子のジェームズ・ジュニアの4人を選ぶ。
トルソンは彼らに徹底したディベート・テクニックや偉人たちの言葉の使い方を教え込む。

 ところはトルソンは共産主義者で夜は農民の組合組織化に取り組んでいた。警察はこれを調べ上げブラックリストに乗ることになる。
 
 やがて彼らは大学対抗の大会で勝利を重ね、ついに名門はハーバード大学とのディベートの機会を得ることになる。

 私は、この映画の成功は、デンゼル自身の主人公より、ジェームズ親子だと思う。この父子は実の父子と言われてもわからないぐらい、感じが似ている。「この父にしてこの子あり」そんな親子だ。

 二人が反発し合い、再び強く絆が結ばれていく過程がすごく良かった。
 そして息子のジュニアの最後のディベートは分かっていても感動もの。デンゼルは自分が役者をしながら、映画で決めるところを知り尽くしている。これはクリント・イーストウッドも共通する。そんなラストだ。
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