Hobbs

ゼブラーマンのHobbsのネタバレレビュー・内容・結末

ゼブラーマン(2003年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます




哀川翔の主演作100本目到達をお祝いして作られた哀川翔のための哀川翔だけがご満悦ならそれでいい内輪ノリ映画。


哀川翔が東映の特撮ヒーローに⁉︎

主演100本目を迎える前人未到クラスの偉業を達成したのに劇中の哀川翔は妻は不倫中、娘はパパ活に走り、息子は壮絶にイジメを受けているのに家庭内の悲惨な現状を指をくわえて見ているだけの残念なダメオヤジ。
そんなダメ川翔が子供の頃夢中になっていた幻の低視聴率特撮番組ゼブラーマンの自作コスチュームを着て夜な夜な出歩いてニヤニヤ喜んでいたらいつしか本物のゼブラーマンになってしまうというあらすじ。
ただのコスプレから始まったのが勢いでモノホンのヒーローに覚醒するってアイデアは後の「キック・アス」にごっそりと根こそぎ盗られてしまいましたね。

ただこのゼブラーマンの翔さん、ただのダメなおっさんなだけならまだしも実はかなりキている人で、頭の中はとにかくゼブラーマンだらけ。
職場や家庭よりもゼブラーマンコスチューム作成に全振りし、ゼブラーマンに扮して部屋でドッタンバッタン大暴れ、ゼフレ(ゼブラーマンフレンド)になった生徒の家におっさんの翔さんが遊びに行ってしまう始末。(ちゃっかり夕食までご馳走になる)
そりゃあ、家庭も崩壊するわ。

仮面ライダーや戦隊シリーズを抱える特撮の老舗であるあの東映が配給していて、しかも特撮とは畑違いなVシネの帝王哀川翔にヒーローをやらせているというレアケースに公開当時の特撮ガチ勢や映画ファンはおそらく並々ならぬ期待をこの作品に寄せたかも知れない。しかし画面に現れるのはチンチンを掻く渡部篤郎、制服で欲情する柄本明、大声を出すと漏れる大杉蓮とか怪人ではなく変人ばっかりで、内輪の人間だけで盛り上がってそうなシュールなノリがいっぱいの良くも悪くも三池組の内輪ノリ映画だった。
東映のブランドを信じた特撮見たさの純粋なファンは果たしてこれで心が満たされたのかな?
あくまで翔さんの労をねぎらうトリビュート映画であって「シン・ウルトラマン」みたいなヒーロー愛を求めてはいけない映画だったのかもしれない。

ただゼブラーマンのデザインや設定は個人的には好き!シマウマがモチーフだから白黒に凄くこだわったデザイン、「白黒つけたぜ!」「俺の背中に立つんじゃねぇ」とか決めのフレーズもいちいち無駄カッコ良く、ゼブラナースの衣装はエロが過ぎててけしからん。
架空の特撮ヒーローなのに主題歌がアニソン界の帝王水木一郎で、アニキが熱唱する「ゼブラーマンの歌」はもう劇中歌だけに留めておくのがもったいない名曲です。架空のゼブラーマン予告が架空とは思えない作り込み具合でこれだけの完成度で視聴率1.8%はありえない!
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