さ

炎上のさのレビュー・感想・評価

炎上(1958年製作の映画)
4.2
美しいものへの執着。

仲代達矢の生きる力みたいな眼力に圧倒された。

ひとつの事件のこと、関わる人びとの心情について、目一杯に想像力を巡らせた豊かな映画。役者の演技もすごい。市川雷蔵の目の演技もすごい。これはファンになってしまう。

小説も映画も俳優も芸術の極み。画面の構図も絵画っていうか日本画のようで圧巻だった。シンプルなんだけどめちゃシャープな感じがした。絵巻物?屏風?とにかく格調高くて良い。

今日見た「破戒」「砂の器」に合わせて、胸を打つ作品は人間の心について丁寧に深く描いているんだな。繊細で壊れてしまいそう!まぁそもそもそれが壊れる様を描いたものが作品なのであるが…と元の木阿弥なことを言ってみる。
さ