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ソナチネのtonyのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
3.9
ただおっさんの哀愁が美しい。あの海越しの青空。沖縄が抱える複雑さと相まってぴーかんなのに物悲しい美しい風景。ぴーかんでなければ見ていられないのかもしれない。ピアノの音楽と相まって、不意に一瞬で命を失うかもしれない緊張感。水平線も出てくるし、モダニズムなんだろうな、この脆い美しさは。でもそこに、沖縄の変わることない風景のローカリティと武さんの幼い頃の遊びや江戸っ子の捲し立てのノスタルジーを無理やり挟み込んでいることで、温かみを担保している。
これが1993年、恐怖分子が1986年、カップルズが1996年。抗争によるピストルと、破裂音一瞬で状況を終わらせるピストル。祭りの後が怖かった時代。
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