tonyさんの映画レビュー・感想・評価

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あなたを、想う。(2015年製作の映画)

3.6

映像はとても綺麗で生まれてきた赤ちゃんとかどうしたんだろうと思うけど、話がよくあるような感じで、最後は出会うんだけど、それがただのオチにしかなっていなくて、出会わした意味がわからなかった。私は特別感を>>続きを読む

エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

3.7

なんか春が待ち遠しかったし、NHKのドラマに宮崎あおいが出てて、無性にみたくなった。遠景ショットの美しさは裏を返せば人間の弱体化を表現していた。オリーブの林を駆けてるわけでもないし、草原の快晴の空をバ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

両国に住んでいた頃、常にスカイツリーが風景にあったことを思い出したし、休日に自転車で走り回った下町を思い出したし、学生の時やっていた清掃のバイト終わりの清々しさを思い出したし、遠方の掃除の帰りに社長が>>続きを読む

ミレニアム・マンボ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

3.7

ホウ・シャオシェンをスクリーンで観るのはこれが初だ。2001年なのでミレニアムは過去のことではない時にわざわざ過去のこととして回想している。そうしないと収拾がつかないくらい当時は無方向性を感じていたの>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

この映画で現実と違うのは時間の早さである。別に過去を肯定しているわけではないし、私たちは今を生きている。それはドラマティックな世界でもないし、平凡な日々である。他なら大したことのように誇張するような出>>続きを読む

ブルーを笑えるその日まで(2022年製作の映画)

3.5

もう私はあの青白い社会と接点をもたない私的のみで構成された、レースカーテンで囲われたような世界に共感できないお歳になってしまった。若かったら共感できていたのかもわからない。また、年齢とは別に「少女邂逅>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.7

顔アップで杉咲さんに頼りすぎているように思う。カメラも固定せずに手持ちでブレる。それによる生々しさで断続的にしんどい。フィクションだから物語内で希望が見つかれば良いのかもしれないけど、こっちは現実を生>>続きを読む

欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)

3.9

ウォンカーワイはエヴァと似ていることがわかった。なにか深そうで明らかにかっこいいのである。頭の中でストーリーの筋を整理しようとしても単純でなくごちゃごちゃのまま、ただ視覚にかっこいい映像が入ってくる。>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.7

ジム・ジェームッシュはパターソンの監督。アメリカ人。世界各地の夜中のタクシー運転手と乗客の会話と流れる景色による物語を5回繰り返す。賑やかなアメリカから徐々に静かな街になって静寂のヘルシンキで終わる。>>続きを読む

トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.7

イッセー尾形かトニー滝谷。イッセー尾形はヤンヤンに出ていたからとても尊敬している。
音楽、ナレーション、色彩、演技、全てフラットに均されている。そのなかで唯一躍動感を感じさせるのが走りなのだが、宮沢り
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

野を駆けるシーンが印象的だった。前半、安藤サクラの声が不快にさせる。あれは狙いなんだろう。中盤から事実を知り、私たちはその反省をしながら後半を見なければならない。そして最後、野を駆ける子供を表すaqu>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.6

低予算でのアイデアによる映画作り。そのアイデアが全面を支配するとそのアイデアの出どころになった低予算が前面に浮かび上がってくる。別にオチなんて必要ない。そのアイデアが全面を支配しないためにそれを覆い尽>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

せりふでストーリーを補っていた。館内は日本語わからないだろう外国人カップルと私だけだったけど、せりふが理解できないで見たらどうな感じなんだろう。
無責任というか、もう宮崎さんも鈴木さんもおじいちゃんだ
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.7

ベルファストの空撮が挟まるが、画一的で窮屈にみえるつくりがあの街と人を物語っていた。壁画に頼っていることもシャッター商店街同様に苦し紛れな方法に思う。自由な場がない。
小学校に道徳の授業は今もあるのだ
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

3.8

女性は一切映っていなかったのではないか。(回想シーンの弟が連れてきた大人は男だったか。)テレビで見た生前の大島監督通りの気合の顔面ドアップ。役者が本職でない人を選んでいて、技ではなく、こっちが目を背け>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.1

音の良い館で観た。ただでさえ演奏がすごいのにアニメまでついていて、わかりやすくてよく泣ける。演奏中の映像もそれによってしらけないクオリティで映画として成り立っていた。天気の子はアニメがあくまで主題なの>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

4.1

今回は二人。登場人物の全員が各々を知っていて、いろんな登場人物が変わるがわる付いになって自分のことではないというか、誰かのフィルターを通した話をする。それは虚でしかない。最後は自分の純粋な話ができて平>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

3.9

ただおっさんの哀愁が美しい。あの海越しの青空。沖縄が抱える複雑さと相まってぴーかんなのに物悲しい美しい風景。ぴーかんでなければ見ていられないのかもしれない。ピアノの音楽と相まって、不意に一瞬で命を失う>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

4.5

2000年かぁ。a one & a two。ショットにおさまっているのは一人なことが多いが、一人の時でもガラスにもう一人反射していたり、カメラの隣にいる誰かに向けて語っている。前のシーンの流れから、>>続きを読む

空に住む(2020年製作の映画)

3.6

さすが希林さんに選ばれた逸材である多部さん。内容は支離滅裂だったけど、最後までもった。通常だとタワマンではドラマは起こらないが、この映画はそのタワマンで何かを起こそうとして、二重人格みたいになってしま>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.6

一見どうでもいいようなことをドラマにしてる。どうでもいいような私たちの人生に讃歌を送るような映画。でも、それに気がつくためには、彼の闘病と死が使われた。このような平凡さを基盤にするのであるなら、そんな>>続きを読む

椿の庭(2020年製作の映画)

3.7

カメラを静止させようとも万物は変化し続けている。庭の様子をつかっての語りが会話による情報量とほぼ等価に思えるくらい、庭の様子が物語ることが多かった。その風景に人がただいるだけで物語が成り立っていた。富>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

エヴァを見たとき以来の新しい映像だった。沖縄の背景画が気合入っていて、開始直後にうるっときた。エヴァを塗り替えたのか、どうなのか、スポーツの描写だから新しいのか。庵野さん、触発されてまたアニメ作りたく>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.8

素材を信じる和食的な映画。この繊細な映画は寝不足で頑張って観るものではない。理屈で理解するのではなく、研ぎ澄まされた感度が必要になる。病んでいて感度ビンビンな時に観たらやばいと思う。監督のスタッフと役>>続きを読む

やまぶき(2022年製作の映画)

4.0

なにかわからないのだが、とても重く深い訴えが映画全体を押し上げている。隙間から垣間見えるのではなく、奥底から押し上げている。それが直接見えないから、なにかわからない。物語としても十分成り立っていて、そ>>続きを読む

過去のない男(2002年製作の映画)

3.6

カウリスマキ二作目。これがカンヌか。ほぼ表情がなく動きも硬い。フィンランドってソ連の隣国だし、なんかみんな寡黙で、腹の中がわからない。そんな全く可笑しい要素がないのに、時折くすっと可笑しくなる。多分そ>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.7

仮住まいで乗り物でよく移動して重力感がない。ソフィアコッポラの屈託のないセンス。都会で育ったのお嬢さんやお坊ちゃん達が見たらどう思うのだろうか。共感したと言うのだろうか。田舎者の私は、空虚さの共感では>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

3.7

前作を知らず、ストーリーの面白さがわからなかったから、ハリソンフォードが連れていかれた水盤のオレンジ色の空間での長いシーンで、そんなに時間をさく意味がわからないから集中が途切れた。でも、現代が色濃く残>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.7

脚本の目的がわかりにくい内容だったけど、面白い映画にしてるスタッフと役者の技量なのか根性なのか、あの息子という希望のすじが作品を貫いていて、そのおかげだったのか。でもコロナ禍の閉塞感のなかで、よくあの>>続きを読む

ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

3.5

中国らしい色彩のある美しい映像なのだが、ただそれだけで、中身をつくることが無意味なのだろうか。ずっと夜だったのもただ人工的な光をつくりたかっただけの理由のような気がする。凱里であるのも必然性を感じなか>>続きを読む

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

3.8

冒頭メタから始まる。でもそれがどの次元のものかわからない。そしてその混乱を引きずったままフィクションにようやく意識が集中できたころに映画が終わるのだが、俯瞰のラストを思い返すとそれもメタなのかよくわか>>続きを読む

サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.7

ひとりが欠けたことで、周囲の人々の心に生じたエラーを長い月日をかけて日常化していく物語。決して元通りにはならなくて、でもなんとか破綻しないように生きてる感じがとても良かった。そんなとき、時間経過と移動>>続きを読む

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

とても彼女が強かった。現実にいる私たちに投げかけているものが鋭かった。「誰も知らない」の柳楽くんを思い出した。スチールの顔つきそのもので、その強さのせいで、彼女が弱者には見えなかった。だから普通に家族>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

キャストが無差別に選ばれたみたいに偏りがない。そのフラットさが日常だった。そんな中の長澤まさみが利いていた。監督の男性の不器用さや愛らしさへの眼差し、そして、女性の気丈さ淡白さや、女性にたいして特別視>>続きを読む

新聞記者(2019年製作の映画)

3.8

いつもなら、新聞記者には相棒がいてその二人で突破していくドラマになるんだけど、隣の席の同僚はそれほど関わってこない。官僚側も奥さんは旦那の仕事とは別世界の人で、同僚とも仲良くない。新聞記者と官僚がタッ>>続きを読む

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