ビートルズに興味があったため、鑑賞。
[概要]
ビートルズ解散後、様々な活動を行ったジョン・レノン。
彼が大切にしていた街、ニューヨークでの生活を軸に、彼の死に至るまでの素顔に迫るドキュメンタリー作品。
[感想]
ここにきて、己のジョン・レノン像が、かなり揺らいでしまった問題作。
他作では、アーティスト気質な部分がクローズ・アップされ、もはや、神格化さえされていた伝説的アーティスト"ジョン・レノン"さんが、生身の人間であったことをまざまざと自覚させられる内容が、個人的には衝撃だった。
[ヨーコを失ったジョン・レノン]
本作で語られるのは、ジョンレノンさんのスゴさではなく、弱さ。
ビートルズ解散後、音楽の力で大統領選の結果を変えようとし、失敗してしまったことから、ジョンさんが犯した一夜の過ち。
それが火種となり、最愛のパートナー・ヨーコさんと距離を置くことになった彼が着実に堕落していったというエピソードは本当に衝撃だった。
これまでは、「なぜ、多くの人から反感を買っていたのか?」「どうして、銃殺されてしまったのか?」と疑問に思う部分が少なからずあったが、本作を見ると、それらの出来事が起きたことに納得してしまうのも確か。
しかし、一方では、そんな不完全さにこそ、彼の魅力や芸術家気質の根源があったことも理解できたため、より、個人的なジョン・レノンさんのイメージが、立体的に浮かび上がった作品でもあった。
[個人的なお気に入りシーン]
本作でのお気に入りシーンは、時折、挟まれる独特な映像表現。
貴重なレコーディング音源を、画像や会話字幕をビジュアル化することで、唯一無二の映像へと落とし込んでいたところは、本作の中でも、特に印象に残った部分。
また、ジョンさんと関わった人物として、『ロケットマン』こと、エルトン・ジョンさんが登場したのも、かなり、テンションが上がった。
[最後に]
やけになって自暴自棄になっていたエピソードなど、ジョン・レノンさんの負の側面が強く描かれたドキュメンタリーゆえ、ファンであれば、あるほど衝撃が多そうな本作。
そのため、「ビートルズ」のアイドルバンド的な要素が好きな方には覚悟が必要にも感じましたが、そうでない皆様には、ジョン・レノンさんの意外な側面を知ることが出来るという意味で、見ても損はない作品だと思いました。