ゾロ

ニクソンのゾロのレビュー・感想・評価

ニクソン(1995年製作の映画)
3.5
2024年11月の大統領選挙に向けて
アメリカ大統領を学ぶ④

⚫︎第三十七代大統領
リチャード・ミルハウス・ニクソン
(1913年1月9日-1994年4月22日)
▪️任期期間
1969年1月20日-1974年8月9日
▪️政党
共和党 
▪️特徴
ベトナム戦争による厭戦ムードの中
ジョンソン民主党政権から共和党政権を復活
ドル・ショック
ニクソン訪中、対立から和解
ソ連との戦略兵器の制限交渉・SALT
ベトナム戦争停戦
ウォーターゲート事件
史上初大統領任期中の辞任


先ず、解りづらい…
①歴史背景の知識必要
②登場人物は会話で判断
③時系列の変化の把握
④描かれてる事が多すぎ
⑤ニクソンの人格崩壊

時系列の前後と就任前のニクソンの政策
以前の大統領やその政策、世界秩序等
歴史知識が無いと何の話か?意味がわからない

世界秩序を変えた外交がたくさんあったが
本作の焦点は、ウォーターゲート事件に
端を発した大統領辞任までの内政干渉・
政治工作・暴言・違法行為・強権発動等の
不正行為と隠蔽というアメリカ国内にあり
ニクソンの苦悩がメインで描かれている

歴史を知っている事が前提の時系列変化は
本当に見づらい

1974年 大統領辞任直前
1972年 ウォーターゲート事件
1960年 大統領選挙(敗退)
1962年 知事選敗退 政界引退
1963年 ケネディ暗殺事件
1968年 政界復帰・大統領選挙(勝利)
1972年 訪中・ソ連外交
1973年 ベトナム戦争停戦
1973年 大統領再選
1974年 大統領辞任
幼少時代、学生時代


⚫︎トリガーいっぱい
ウォーターゲート事件、政治工作は
録音テープがトリガーになるが
兄を亡くしたケネディの苦悩は
ニクソンの兄弟の死の回想トリガー
家族との幸不幸は
幼少や両親の回想トリガー

⚫︎演出過多
同じ時間軸の映像が突如、アナログチックに
画質が粗くなったり、モノクロになったり
当時の映像を盛り込んだり…

モノクロ映像時には、
ニクソンの苦悩が描かれたり
辞任直前の時期だったり
緊張感や焦燥感まで
二重、三重の演出がある

⚫︎単語のみで説明無く隠喩でもある
更に、自身が副大統領を務めた
第35代大統領アイゼンハワー時代の政策が
ケネディへの執着や対抗心の起因の様相と
暗殺事件と関係があるようにも描かれている
ピッグス湾事件、キューバ、カストロ
ベトナム戦争

⚫︎人物詳細無し
外交キーマン:キッシンジャーが終盤に
固有名詞と共に内通者の疑惑が出るが、
事実関係は描かれず
(登場は、船上の会話で地政学というワード)

⚫︎人物像
民主党とケネディへの対抗心と
自身の信念と拠り所として描かれるのが
リンカーン大統領の肖像画や彫像

また、大統領執務室で録音した音声テープの
空白時間を強調したいのか?

ニクソンの行動には
録音テープを拠り所にしたり
暴言、失言の消去という現実逃避
奥さんとの信頼の瓦解等
ニクソン自身の精神崩壊のような描かれ方

それでも、ラストはちゃんと演説
エンドロールはホワイトハウスを後にする実写

この演説もライターが居たんだろうなーと
どうも冷めて見てしまった



2023年11月にキッシンジャーが亡くなった
年始にニクソン・キッシンジャーの外交戦略の
本を読んだ為、ニクソンの外交戦略の
手腕や世論等の映像化を期待していたが
本作は政治スキャンダルをメインに
ニクソンの苦悩を描いていた


キッシンジャーの2023年最後の提言をメモ

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