デイジーベル

炎のランナーのデイジーベルのレビュー・感想・評価

炎のランナー(1981年製作の映画)
3.6
「チャン♪チャチャチャ チャーーチャン♪チャン♪チャチャチャ チャーー♪」

「ヴァンゲリス」による素晴らしいテーマ曲。映画にとって音楽が如何に重要かがわかる作品のひとつと言えるだろう。(近年、ロンドンオリンピックでも使用されてましたね)

スポ根映画と思わせておいてその実、人種差別と信仰心(宗教)がテーマとなっている作品でもある。(イギリスの権威主義や排他主義的な部分を描きつつもイギリスの品格を感じさせる)

一人は人種差別による偏見を見返す為に、走る事で栄光を勝ち取り、本当の意味でイギリス人になろうとするユダヤ人。
一人は神から与えられし才能を示し、神からの試練を乗り越える為(伝道の為)に走るスコットランド人。
オリンピックでメダルを獲る事よりも熱い想いを滾らせ走る二人。

″走る″というシンプルな競技故に生まれる葛藤。″何故走るのか″という根源的な問題を突き付けてくる。

「神が違えば人生の目標も違う」

人間の尊厳を″走る″という行為で描いた、何度見ても最後には感動してしまう、そして無性に走り出したい気分になる作品。


◯雑記◯
因みに私が走る時に聞く″プレイリスト″にもこの作品のテーマ曲が入っている。
※擬音でテーマ曲を思い出せない人はYouTubeで「炎のランナー」で検索。
自分で書いておいて、自分でも擬音からじゃ無理っぽい感じが否めない…(´ω`)