交通事故で夫と娘を喪い、悲しみに暮れる女性の再生の物語。
トリコロール1作目。
面白いというよりも、映画として非常に良く、ストーリー、映像、音楽のどれもが一級だった。
本作において特に私が良かったと思うのは、人の存在を美化させない姿勢である。
誰かを喪くした時、人はその存在を美化したくなるものだろうし、大切な人を喪った人のことも美化しようとしてしまう節があると思う。
だが、本作はそうはさせてくれない。
徹底して人間のリアリティを突きつける。
物語が進むにつれ、主人公も、亡くなったその夫も、決して美しい人間ではないことが分かっていく。
一筋縄ではいかない話で、良い意味で裏切られた。
おすすめできる。