チスッッッ

「A」のチスッッッのレビュー・感想・評価

「A」(1998年製作の映画)
3.8
8mmカメラに映し出されたの信者たちは、私たちとなんら変わりないごく普通の人間にしか見えない。なんなら普通の人間より精力的で溌剌とした毎日を送っているようにも見える。
そんな姿をずっと眺めていると、こちらもついつい心が持っていかれそうになってしまう。しかしふと目線を外してみると坐禅を組んでいたり、耳をすませてみると麻原のお経が延々と流れていたり、そんなふとした瞬間に「そうだ、オウムはカルト集団だった。あぶねぇ」と我に返る。洗脳ってこういうことなのかしら。
この感覚を得られたのは、森さんのオウム真理教を"絶対悪"として捉えない極めてオーソドックスな取材の賜物ですね。
麻原の歌を聴いて「音域広いっすね〜」が真っ先に出てくるセンス、やばすぎる。