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The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛のmocoのレビュー・感想・評価

4.0
Fil友さんのレビューを拝見し、鑑賞。
良い映画を観ました!
感銘を受け、そして勉強にもなりました。
先ずはFil友さんに感謝とフィルマークスのこの場に感謝。

本作、なななんと、あの監督が!なんです。
リュックベッソンがアウンサンスーチーさんを!
誰がこんな組み合わせを思いつく!
そして、ちゃんと面白いから先ずはそこで、すごい満足感。

アウンサンスーチーさんはただ政治的活動を熱心にされている方だと思っていましたが、、、勉強不足な自分が恥ずかしい。
お父様が立派な民主活動のリーダーだったのですね。そして、スー・チーさんが子供のころに、突如として軍隊に暗殺されてしまった。。。そこから何年も軍事政権が続いたんですが、あることをきっかけに民主政権を望む国民のシンボル的存在になり、民主政権を叶えるために最前線で戦われたのですね。(もちろん、暴力など使いません)
穏やかな人柄の中に、あの細い体の中に、とてつもない愛を持っていらっしゃたのを知れただけで、強い女性として尊敬してしまう。

ノーベル平和賞を自宅監禁中に受賞され、世界的にミャンマーへの批判が高まっているにもかかわらず、強固として国はアウンサンスーチーさんの存在を消し去ろうと逆に躍起になってしまう。。。
もう、お話がドラマチックなんですよ。

ですが、本作、リュックベッソンなのに、過剰な演出や、軍事政権の暴力を派手に見せたりしないんです。
何でストーリを盛り上げるかというと、

「家族愛」なんです。

これも知らなかった話ですが、アウンサンスーチーさんは国際結婚をされていたんです。イギリス人のご主人と二人のかわいい男の子、実は4人でイギリスで家庭をしっかり築かれていたんですね。
母親の体調がすぐれないのをきっかけに帰国、そこから今のアウンサンスーチーさんの物語が始まるんですが、そこがまたやっかいで、国に目を付けられ、一度の入国は手違いにも似た感じで許されますが、次は入国させないというのだから、愛する家族の元へ帰りたいけれど次は入国出来ないし、、、帰りたくても母国は滅茶苦茶で、罪の無い学生が殺されているのを見ると離れるわけにはいかないというジレンマで。。。

とっても素敵で理解のあるご家族との制限のある家族の時間が、切なすぎて。。。なんとかして4人がそろうようにと固唾を吞んで見守りますが、なかなかうまくいかないのですね。。。
政治や活動がどうこうよりも、ここをドラマチックに描いてるから感情移入がエグイ。そしてそれがすんごく意外で、そしてお上手だったんです、リュックさん。そういえば「レオン」でも家族愛に似た人間関係を魅せていたな、なんてㇷと思ったり。実はこういう人間愛を描くのが上手なんだと今更ながら気付いてしまいました。

アウンサンスーチーさんを演じたミシェル・ヨーさんが本当に素晴らしかったです。彼女が家族に見せる涙は切なく逞しく、思い出しただけでウルっと来る。
ご主人が元々素晴らしい方だったのもあるけれど、演じられたデヴィッド・シューリスも優しさ200%➕芯の強さがしっかり伝わるお見事さでありました。

今、アウンサンスーチーさんは77歳。軍事裁判?で有罪になり、独房で刑期を過ごされているとのこと。
どうか、どうか、お元気な間に釈放されご家族の元に返してあげて欲しいと願う、そんな熱い気持ちにさせてくれる一本でありました。



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U2が最後に使われていました。そこも好きだぞ。
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