マスうらの

仁義と抗争のマスうらののレビュー・感想・評価

仁義と抗争(1977年製作の映画)
4.5
関西を拠点に殺し屋稼業で全国を飛び回るババ伝(松方弘樹)に、違法建築のバラックで飲み屋を切り盛りする豪胆な女房の松本留美。地元の組長宍戸錠にひょんな事から雇われ、北関東の小さな町に出向いたババ伝の一悶着。
いやぁ、これは滅法面白かった。東映実録路線は北陸代理戦争で終わったもんだと認識していたが、とんでもない思い違いだった。
松方、松本留美、桜木健一あたりは滅茶苦茶キャラが立っているし、このテキトーすぎるタイトルから察するにそんな構想は露ほども無かったのだろうが、これがシリーズ化されていないのはあまりにも惜しい。ギャグもかなりキレてるし、まむしの兄弟に比肩するシリーズ物になり得ただろうに…。
脚本に幾つか文句つけたい箇所もあるが(長門裕之の強制退場とか、あき竹城は後半もっと使えただろうとか)、笑いに笑ったし、鑑賞中は多幸感マックスでした。
ここで再度、故松方弘樹氏に追悼の意を表するとともに、東映には今作のDVD化をなんとかお願いしたい。