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日本のいちばん長い日のotomisanのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
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 この映画が初めてテレビ放送されたのは1970年代半ばだったと思う。放映の後にゲストとして日本放送協会の館野氏が生出演して語ったことを思い出す。
 その中で氏は、15日早朝放送会館を訪ねた畑中少佐について、劇中あったような取り乱したともとれる様子は全くなく、館野氏が少佐の要求を拒絶するのに対し静かにそうかといって引き下がった事を語っていた。
 この映画はおおむね事実を踏まえて作られているようだが、あくまでも劇であるから、激情家を要所に配する必要上、畑中少佐がその任を帯びたと考えるのが良いのだろう。それにしても、氏が少佐について、実に立派な態度でいらしたと繰り返していた事が忘れられない。
 戦争や戦時体制をどのような人たちが率いていたのかは中々知る事が出来ない。劇ではそれを一種分かりやすく伝えてくれるが、事実ははるかに入り組んでいると考えるべきだろう。願わくばこの映画を8月14日の集大成として見るのでなく、それを糸口に知見を広げる始めとされたい。
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