タイトルからして暴風吹き荒れるディザスタームービーを想像しがちだが、実際に暴風圏の中で繰り広げられるドラマは、後半の20分ほどと意外に少ない。
そこに至るまでの、突然企業の2代目女社長になった叶順子の奮闘を縦軸に描かれる人間ドラマが、この映画の重心といえよう。
社長役の叶と秘書役の菅原兼二との掛け合いや、会社の乗っ取りを狙う高松英郎の〝ザ・悪役顔〟、そして最後まで途切れない軽快なテンポなどが魅力。
分量が少ないとはいえ、ミニチュアによる特撮も用いた暴風の描写もなかなかのもの。
最初から最後までストーリーの予想がつきやすいのは、プログラムピクチャーゆえのご愛嬌か。