櫻イミト

マッド・フィンガーズの櫻イミトのレビュー・感想・評価

マッド・フィンガーズ(1978年製作の映画)
4.0
ハーヴェイ・カイテル の「コップキラー」(1982)「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(1992)に並ぶヴァイオレンス・カルト作。「真夜中のピアニスト」(2005)のリメイク元。共演はティサ・ファロー(ミア・ファローの妹)。

ニューヨーク。バッハを愛しプロのピアニストを目指すジミー(カイテル)は、一方では高利貸の父親に命じられ借金の取り立てをしていた。しかし、ヤクザのリカモンザからの取り立てがうまくいかず大きなトラブルの引き金になる。。。

繊細で暴力的というカイテルならではのキャラクターを楽しむ一作。主人公の指はピア二ストへの夢を育む一方で、夢の破滅を呼ぶ凶器に変化し、アイデンティティの分裂を示す。「タクシードライバー」(1976)と同年代のくすぶった狂気が、リアルなヴァイオレンスとして暴発する。小品だが多くのフォロワーを持つ傑作カルト。
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