リオン66

コミック雑誌なんかいらない!のリオン66のレビュー・感想・評価

4.0
 恐縮です。

 この映画はこの言葉に尽きる。恐縮。すいません。恐れ入ります。といった、前口上を切り出して、即座にずかずかと乗り込んでくる日本人の恥部がこれでもかと見せつけられる。この映画の2年後、伊丹十三のマルサの女2のセリフが思い起こされる。

 日本人は全部村人だ、全部のぞき魔だ。全部下衆だ。他人の不幸がなにより好きなんだよ。

 ただ、怖いのは。この映画のような野次馬根性のレポーターの影が薄くなった分、そのテレビの前で指を加えていた視聴者たちが自ら薄い電子器具を持ってレポーターになるという地獄絵図のような世界が到来しているということだ。

 この主人公のようなレポーターを笑い続けることができる世界であって欲しい。
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