みや

十二人の怒れる男のみやのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.0
言うまでもなく映画史に残る大傑作なのだが、2024年の今観てみると、昔観た時とは違った部分に目がいく。
・陪審員は男しかいない。
・陪審員にアジア系やアフリカ系がいない。
・女性を揶揄するセリフも普通にある。
・スラムの人々へのヘイトが思いの外激しい。
・ヘイトの構造はSNS時代の今も変わらない。
・移民の国なのに、移民を格下に見てるのか…。
・喫煙率がバカ高い。
・ウォーターサーバーがある!
・暑いという言葉通りみんなだんだん汗だくに。
・机上を片付けずに立ち去るのは文化の違いか。

時代の進んでいるところと、変わらないところが見えてくるのがおもしろい。

「脚本がよければ、シチュエーションを限定しても充分に一本の映画として説得力のあるものがつくれるという見本のような作品」としてだけでなく、リアリティがあるこうした映画には、「その時代を記録した資料的な側面」もあるんだなと思った。

そういえば、日本でも取り入れられた裁判員制度は、今はどうなっているのだろうか?
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