ゴン吉

鬼畜のゴン吉のレビュー・感想・評価

鬼畜(1978年製作の映画)
4.0
愛人が産んだ三人の幼子を押し付けられた男の苦悩と葛藤を描いたヒューマンドラマ。 
原作は実話をもとに書かれた松本清張の小説。
緒形拳が主演、岩瀬浩規、吉沢美幸、石井旬が子役を演じ、岩下志麻、小川真由美、蟹江敬三、田中邦衛、大竹しのぶらが共演。 

埼玉県川越市で小さな印刷屋を営む竹下宗吉(緒形拳)は、料亭で女中をしていた菊代(小川真由美)との間に3人の子供を儲けていた。ある日、菊代は3人の幼子を連れて宗吉の印刷屋を訪れ、子供を置いて消えてしまう。愛人と隠し子の存在を知った宗吉の妻(岩下志麻)は宗吉を責める一方で、子供たちにつらく当たる。やがて末っ子の幼児(石井旬)が消化不良で衰弱死し、その後、宗吉は三歳の娘(吉沢美幸)を東京タワーに置き去りする。残った6歳の息子(岩瀬浩規)は住所を知っていたため捨てるわけにもいかず、毒殺しようとする…  

実際に起きた事件がベースで、テレビドラマで2度もリメイクされた名作。
愛人が産んだ幼子たちと父親が背負った宿命と業を描いたヒューマンドラマで、父親の葛藤が描かれている。
子供が健気で切なく、娘が大切にしていたオルゴールが効果的に使われており心に響く。
果たして父親は子供たちとの関係を断ち切ることができるのか?
ラストの子供のセリフが重く、哀愁を誘う。
「違うよ よその人だよ 知らないよ お父さんじゃないよ」 

2024.4 BS松竹東急で鑑賞(土曜ゴールデンシアター)  
第2回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞、最優秀監督賞、最優秀技術賞を受賞
ゴン吉

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