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鬼畜のぉゅのレビュー・感想・評価

鬼畜(1978年製作の映画)
3.9
2024年 鑑賞 24-66-19 [5-3]
BS松竹東急 土曜ゴールデンシアター にて
松本清張先生の短編集「詐者の舟板」収録の短編小説を原作に、「疑惑」「彩り河」等の野村芳太郎監督による、検事の河井信太郎氏から聞いた話がベースになった実話に基づいたフィクション作品で、印刷屋を営む竹下宗吉(緒形拳さん)はある日、彼の愛人の菊代(小川真由美さん)が三人の隠し子を宗吉に押し付けて失踪。妻お梅(岩下志麻さん)は子供たちに辛く当たり、やがて末っ子の赤ん坊が不慮の事故で死んでしまい、お梅が故意に仕組んだことを察した宗吉は、残る二人も何とかしなければと追い詰められて行く作品。

ー 松本清張氏原作 × 野村監督 映画祭 第2弾 ー
ガッチャマンと積み木とオルゴールと夏を思わせる湿度感、菊代の行動と印刷工の阿久津(蟹江敬三さん)の表情、印刷業を営むお梅の言葉と菊代の決意、菊代も怖いがお梅はもっと怖い... 、菊代の行動とお梅の表情 怖っ...「あんたの子だって? 似てないよ」、菊代はもういなくなっており... とお梅は面倒見ないと宣言、何度も言うけどお梅 怖っ!、あの「食べればいいだろっ!」のシーンのお梅が観てられない... 、あぶくを吹いている末っ子と髪が臭いとお梅に洗濯用の粉洗剤を頭にかけられる長女と印刷所の周りで遊ぶ長男、遂には... あのおもちゃっぽい音楽も恐怖に聞こえる... 、東京タワーと双眼鏡のシーン 好きっ と長女を置いていく宗吉、お梅の目と青酸カリ、長男の失踪と子どもたちの絵とオルゴール、「畜生っ!」とパトカーと田中邦衛さんと長男は察している?と思わせる 思わず緊張感が走る、動物園とあんパンと●●●リ、どんどん鬼畜へ落ちていく宗吉「食えっ 食えっ... 」、新幹線の窓から... と煙突の風景 好きぃ 、米原と旅館での宗吉の過去の話と捨て猫と断崖と松本清張先生 崖好き?、長男はわかってる?と宗吉の行動と鬼畜へ落ちるような音楽と夕日が綺麗なんだけど... 、印象的なオルゴールの音とパトカーの音、ポケットの石と黙秘&何かを庇っている長男と... 、けに包囲された印刷所と宗吉の表情と長男のある言葉&表情(敢えての棒っぽい演技またグッと来させる)、ママは来ないし、あのおばさんと2人っきりにもなりたくない彼は全てを察していたんだろうと思わせる...

前半の小川さんと岩下さんの恐怖... 特に岩下さんの(いい意味での)ドスの強い目が当てられないシーンの数々が頭にこびりついている(さすが極妻だと思った)し、後半の宗吉&お梅夫婦の追い詰められていく雰囲気と前半と後半で違う恐怖を感じ、そして最後はウルっと来て、考えさせられる作品。主演の緒形さんと岩下さんを始め、蟹江敬三さん、大滝秀治さん、加藤嘉さん、大竹しのぶさん、田中邦衛さんら豪華キャストの社会の闇を映した名サスペンス作品だった。

「ハハハハハ... 鬼畜生っ それでも人間かっ」

「おばちゃんの傍に行っちゃだめだって言ったろ?」

「父ちゃんなんかじゃないよー 知らない人 父ちゃんなんかじゃなーい よその人だよ 知らないよー 父ちゃんじゃないよ」「勘弁してくれぇ 勘弁してくれぇぇぇ... 」

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