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パンチドランク・ラブのKotaのレビュー・感想・評価

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)
4.0
“不思議だ…素敵だ。“

ついに、アダム・サンドラーを好きと言える映画に出会えた…!“ビックダディ”や“50回目のファーストキス”のいわゆる名作も、彼の演技が苦手で微妙だったけど、これは最高だったよありがとうPTA監督。彼の手にかかれば郊外で儚く生まれる不器用で臆病な大人の恋もロマンチックに。

いきなりオフィスの隅にポツンと置かれたデスクからの車のクラッシュ、謎のオルガンと目が離せない。冒頭から絶妙なショットで観客を映画に吸い込むのは監督の得意技。ジャケットにもなっているハワイでの再会のシーンは美しすぎてため息が出るほど。バリー(アダム・サンドラー)のアクの強いキャラに薄れがちだけど、レナ(エミリー・ワトソン)もかなりのストーカー気質系こじらせメンヘラ女子だよね(笑)。二人が出会う前のスーパーのシーンでピンボケして後ろに写っている赤いドレスの女性はレナだったという説も。

なんとなくウディ・アレンっぽいワルツを基調にした音楽と寂れた街の背景とのアンマッチ感がよく映えていたし、ステディカムによるワンカットを多様するところもPTA監督っぽさ満開。カメラワークが本当に上手いよなぁこの人。そして何よりフィリップ・シーモア・ホフマンの「シャッシャッシャッシャッシャラーップ‼︎」(笑)
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