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トレインスポッティングのtmcてむしーのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.3
T2公開ということで、1をおさらい。
トレインスポッティングは、「鉄オタ」という意味らしいです。


ストーリー
スコットランドに住むレントン(ユアン・マクレガー)はドラッグ中毒の若者。
同じく麻薬中毒のスパッド(ユエン・ブレムナー)
アルコール中毒で自制がきかないベクビー(ロバート・カーライル)
女たらしで盗癖があるシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)
イギーポップ好きのトミー(ケビン・マクキッド)
の3人は仲間で、4人で集まってはナンパ・ドラッグ・セックスを繰り返す毎日。
レントンは何度目かのヤク断ちを決意し、社会復帰を目指す。


何か劇的なことが起こるというよりは、ドラッグ中毒の若者の日常を
音楽と視覚効果でおしゃれに切り抜いた作品です。
映画というより映像作品って感じが強かったなあと思います。
当時はこの映画が共感を集めたそうですが、個人的には共感できないですね。
21世紀の日本人だから共感できないのかな。
全編通してとにかくクズですが、前半はドラッグに溺れ、後半は(一応)立ち直るために動きますが、過去の仲間達に引っ張られまたドラッグを…
盗み・ドラッグ・失望を繰り返すような日常を見て、共感できる!とはならないよなあ。(笑)

ただ、トレインスポッティングの映画(どうやらT2もそうみたいですが)のテーマは「依存」です。
人は誰しも何かに依存して生きていて、その根本に原因があり、それをどうにかしようともがいている。
今作でレントンはドラッグに依存し、貧困を乗り越えるために真っ当な職に就こうともがいています。
真っ当な生活を求めて、正しい方を選びたくて、でもドラッグに依存しているからいつもふりだしに戻ってしまう。
ドラッグの恐ろしさが表れているようですが、この映画はだからドラッグをやめろとかいうようなものではありません。
依存した何かのせいで誤った選択をする愚かさと、もがく姿を、スタイリッシュに表現している映画でした。

ラストでレントンは仲間を裏切る(代償とする)ことで、真っ当な生活の第一歩を踏み出します。
冒頭と同じく爽やかな演出が為されており、個人的にお気に入りのシーンです!