シネラー

バイオハザード ダムネーションのシネラーのレビュー・感想・評価

3.5
『バイオハザード』のCG映画第2作
となる本作を再鑑賞。
劇場公開時にも鑑賞しているが、
シリーズのCG映画では
一番好きな映画であり、
本作で敵クリーチャーのリッカーが
大好きになった作品でもある。

物語としては、
政府軍と反政府軍との内戦が続く
東スラブ共和国でB.O.W.(生物兵器)が
実践投入された情報が流れ、
現地へ訪れたレオンが国家の陰謀に
巻き込まれていく内容となっている。
B.O.W.のリッカーを用いる
反政府軍のバディ、
秘密裏にB.O.W.の研究を行う政府、
そこに参入するレオンという
三つ巴な展開は見応えがあって良かった。
前作と比べてもレオンがゲーム本編で
見せるユーモアが見られており、
サブキャラクターの描写
も増えている事で感情移入できるのが
前作より進化している点だと思った。
加えて、
ゲーム版ではレオンと馴染みが深い
女スパイのエイダも登場し、
スパイアクションに大統領との肉弾戦
という活躍もあって満足だ。
終盤でゲーム版のラスボスとしても
有名なタイラントが登場するが、
それに対峙するのがレオンとリッカー
という異色の共同戦線は
胸が熱くなる展開だった。
前作よりもグロテスクで恐怖感もあり、
暗闇を進む一人称視点での緊張感や
プラーガに寄生されたガナード(ゾンビ)
の描写が良かった。
土屋アンナの主題歌『Carry On』と共に、
時系列的には後日談でもある
『バイオハザード6』の映像が流れる
のも世界観に浸れる要素だった。

不満点としては、
結末がハッピーエンドではあるものの
政治的な駆け引きの為か爽快感が薄く、
レオンが窮地に立たされた後の幕切れは
呆気なく思うところだった。
それに伴うところでは、
黒幕である大統領自身が
直接的な罰を受けていないのも消化不良だ。

アクション・ホラーとしての
盛り上がりや人物描写も前作より良く、
テンポの良いCGアクション映画だった。
格好良いレオンやエイダを
観たくて劇場へ訪れたら、
まさかのリッカーに可愛さを抱いた
思い出深い映画だ。
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