オーウェン

神童のオーウェンのレビュー・感想・評価

神童(2006年製作の映画)
2.7
神童が示すとおりの天才少女と、その彼女に影響される音大生。
前半部分は年の差を描くラブストーリーかと思ってたが、これはうたの過去との決別と、未来への一歩を示す成長ものだと納得。

とはいえこれは主演二人に余程思い入れがあるか、もしくはクラシック音楽に憧憬が深くないと退屈になってしまうだろう。

この映画はキャラクターに入り込むのを許してはくれない。
天才は分かるが、それを感じさせるエピソードを一つは欲しい。
和音の存在はいつの間にか置いてけぼりで、うた一人の物語に最後強引に和音を入れ込んだ形なのは頂けない。

全体的に薄いと感じてしまうのも、印象的なシーンがなかったからだろう。
演奏会などクライマックス的な盛り上がりがあってもよさそうだがそれもなし。
何よりその後のシーンは、演奏会の前に描くべきだったのでは?

微妙な出来だったが主演の二人は悪いという印象は無い。これは物語とのバランスが悪い評価が難しい作品だ。
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