【連合軍だって非人道的だった】
大岡昇平原作、小泉堯史監督作品。
第二次大戦後、戦時中に無差別爆撃で一般市民を殺戮した米兵を捉えて死刑に処したとして、軍事裁判で死刑を宣告された岡田資(たすく)中将を描いた映画である。
まず、戦時中の爆撃についての国際法が解説され、軍事施設に対する爆撃のみが合法であるが、実際には第二次世界大戦中は連合軍・同盟軍を問わず違法行為が続出したことが指摘される。
そのあと、岡田中将をめぐる裁判が淡々と再現されている。米国人ながら岡田中将の弁護人が米軍の非人道的行為を摘発するシーンや、背後でじっと裁判を見守る家族などがたいへんに印象的である。岡田中将を演じた藤田まこともなかなかいい。