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ふたりのpapandaのレビュー・感想・評価

ふたり(1991年製作の映画)
4.2
本当に本当に久しぶりに見た。前に見たときは実加が姉の千津子の力を借りて成長していくファンタジックな物語と見ていた。今回見て、もちろんそれはあるけど、思った以上に「死」の色が濃いと思った。だからこそ実加や真子たちの生命が光って見えた。そして赤い色がその象徴のように思えた。赤い毛糸は生理の暗示だったし、(あまりはっきりとは見えなかったけど)黒い洋服は鏡の中では真っ赤だったし。フィルム撮影とデジタル撮影の使い分けなど、大林監督の映像マジックは見ものだ。ラスト近くの静かなクライマックスシーンの、固定カメラでかなり長いワンショット撮影は、俳優さんたちもすごい。
今日の上映のあと、大林千茱萸さんのトークがあった。大林監督の映画への思いやこれからのこと、この後上映される「マヌケ先生」にまつわる、今回初めて披露する三浦友和さんとの思い出など、とても面白いお話を聞かせていただいた。また、このトークの少し前に届いた石田ひかりさんからのメッセージも読んでくださった。こういう貴重なオマケも有り難い。
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