Jimmy

薔薇合戦のJimmyのレビュー・感想・評価

薔薇合戦(1950年製作の映画)
3.8
成瀬巳喜男監督による三姉妹の人間関係を軸にした楽しい映画。

冒頭、有楽町駅が映る。(現在のビックカメラ付近)

百合化粧会社の金を着服した男は、背任横領罪に問われようとする際、死んでしまって、妻の長女(三宅邦子)がパトロンから(78万円の)金を都合してもらう。
この支払い後、長女は女社長としてニゲラ化粧品なる会社を立ち上げて軌道に乗る。

次女(若山セツ子)は、姉の要望で社内結婚するが、これが金にも女にもダラシない男で、妻を風呂場で殺そうとするが未遂となり、会社での着服も発覚して、札幌へ転勤させられる。

三女の桂木洋子は成瀬作品で良く観るが、なかなかチャーミングな感じでグッド。
この三女は、試験的な結婚として「別居結婚」をする。しかし、この相手が自分のことを「男妾」などと呼んでダラシなく、妻子までおしかけて来て金をせびられる。
この桂木洋子の「ジャン・マレーやシャルル・ボワイエみたいな感じで、親切にしてくれる男性(鶴田浩二)が好きなの」なるセリフは、時代を感じる科白である。

なかなか面白い成瀬巳喜男監督の映画であった。
Jimmy

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