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ラム・ダイアリーの7のネタバレレビュー・内容・結末

ラム・ダイアリー(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画を大好きな人間が書くレビューという前提で……

Blu-rayのパッケージには「腐敗と強欲にまみれた真実を暴くことができるのか!?」という煽り文句が記載されてるけど内容は勧善懲悪的なお話ではなく、とあるジャーナリストの伝記物で、つまり「悪党成敗!完!」みたいなオチはない。

正義とは?悪とは?みたいな問いも無い。映画内にヒーローはいない。主人公ですら終始ラム飲んで酔っ払っててお世辞にも立派な人間とはいえない。

原作はハンターSトンプソンの同名自伝小説。彼のスタイルは「ゴンゾー・ジャーナリズム」と呼ばれており…みたいな話はWikipediaに書いてあるのだが、この映画の目的は前述したジャーナリストしての彼が彼のスタイル:ゴンゾージャーナリズムに行き着くまでの物語だと思う。だから悪どい企業家のホテル開発がどうなったかも島の中にある白人と現地人の軋轢も主人公が成そうとした告発の行方もほとんど放り投げっぱなし。節目のない話の連続。エンドロールが始まった時に思わず「え?終わり?」って呟いてしまったけど、それも当然で、その原因はただ「プエルトリコを千鳥足で歩くポールケンプ」自身にスポットが当てられてる前提がなかったから。そこがあればポールケンプというジャーナリストの成り行きって軸があることがわかる(と思う多分)。

結構どうしようもない人間だけどケンプ君は一応ジャーリストの魂は持ち合わせているのでそこは尊敬できる。

映像や音楽はとても綺麗で、カリブ海の雰囲気、どこかノスタルジー感じさせる南国の雰囲気とかキャラクターの衣装とか素敵だった。ケンプくんとシュノーさんの出会いもロマンチックだったし。でも一番最高はハルサンダーソンくんさんです。9割ハルくんさんを見に来てると言っても過言ではない感じです。以上です。
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