わかめ昆布

怒りの街のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

怒りの街(1950年製作の映画)
3.8
「僕らは知能のスポーツマンさ!」
と宣言し次々と女たちを騙していく学生二人組。
俺らが最高!という青春の香りムンムンで好み。

悪事を働きまくるが、学費や参考書、親の墓代までをも支払うお金に使われていくので、昭和の映画はまだいじらしいよな…と感じる。

貧しい社会だからこそ哀愁も生まれる。
騙されるお嬢さまたちの奔放で裕福な生活とのコントラストが切ない。

お金に取り憑かれ、楽に稼ぐことを覚えてしまうとそこから抜け出すのは難しい、という裏稼業にありがちな問題。

お上品度マックスな久我美子。
ダンスホールが活動写真よりも高いという当時の時代性も知れた。

主人公のスケコマシっぷりがスマートで、
悪男もののお手本のような作品。
あまりにも自信満々すぎて余りイラつかない。
ここまで潔いと逆に気持ちが良い。

成瀬にしては、真っ青なくらい青々しくて新鮮。
成瀬の出す青さは結構好きかもしれない。
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