Scratchy

爛(ただれ)のScratchyのレビュー・感想・評価

爛(ただれ)(1962年製作の映画)
5.0
やり手田宮二郎とお妾若尾文子、詐欺師の船越英二裏切らないキャスティングさいこー。小島屋のうなぎ食べたい。田宮の政略結婚はもちろん田舎から金をせびりにくる文子の兄浜村純といい、文子が離婚させた藤原礼子の父殿山泰司が一所懸命に慰謝料を勘定する姿といい、愛欲の裏には貧しさが潜んでる、っていうより金に対するストレートな欲が目立つのも気持ちがいい。なんにせよ金。25で産めない体にしてる文子といい、じいさんの子種を仕込んどく弓恵子といい。しかし、あまつさえ愛、16に見えない姪の水谷八重子と文子のバトルではあわや刺し違えるところだったし、田宮に捨てられたショックでキチガイになる藤原礼子。これよこれって感じの増村。文子の非常になりきれない優しさが何度も顔を出すのもまたいい。田宮の話を聞かされてる同僚の内心の呆れが隠しきれなくて顔に出てるとこ素晴らしい。式の前に最後のお別れ、八重子を田舎に送り返してほっと一息吐くホームの文子。貧しいけれど離れられない船越と丹阿弥谷津子も幸せには見えないしあれはあれで爛れてる。だって英二だし。アパートのやたら目立つ帯盛迪彦のネームプレート。
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