けーはち

クレオパトラのけーはちのレビュー・感想・評価

クレオパトラ(1970年製作の映画)
3.4
ローマの指導者シーザー(ユリウス・カエサル)やアントニウスらを手玉に取って渡り歩くエジプトの美しき女王クレオパトラの人生を史実ベースに描く歴史アニメ……と思いきや「クレオパトラは実は整形美女だった⁉️」という序盤を皮切りにシュールでナンセンス、マンガチックで極端なデフォルメ、大人向けエロティック表現はおろか様々なマンガや芸術作品などのパロディ、テレビ番組や抽象画や歌舞伎風の演出など、古代ローマ/エジプトの世界観を積極的にブチ壊す何でもアリの実験的手法を駆使する、巨匠・手塚治虫のイカれた意欲作。そもそも導入部は「未来人がクレオパトラの時代を知る為に精神を古代に飛ばす」という不要なSF設定からの実写(顔だけアニメ)シーンで始まりシュールにも程がある。やりたい事にアニメ技術が追いついてない感もある。CGIによる合成なんて影も形もない時代だもの。多分手塚治虫が生きていたら、積極的にやりたがったんだろうなァ……