けーはちさんの映画レビュー・感想・評価

けーはち

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白いドレスの女(1981年製作の映画)

3.4

ファム・ファタールに操られるバカな男の転落メロドラマ……と言えばそれまでだが、舞台・画面・配役・展開の妙で惹きつける大人の官能スリラー。蒸し暑いマイアミ、遊び人の弁護士が声を掛けた白いドレスの人妻は白>>続きを読む

ブラッド・ワーク(2002年製作の映画)

3.4

心臓移植を受けた元FBIプロファイラーがその心臓を提供したドナーを脳死状態にした犯人を追う。「羊たちの沈黙」あたりからのサイコスリラーの流行で「プロファイラー」とか一応言ってみたに違いない(案外ミーハ>>続きを読む

エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

3.8

謎の紳士デ・ニーロの依頼で男を捜す私立探偵が行く先々で奇妙な殺人に遭遇する。当時天下のセックスシンボル、ミッキー・ロークの男の色気ムンムン、ハードボイルド探偵のノワールな雰囲気からのオカルト超展開は狐>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.5

アメリカン・ニューシネマと言えば、無軌道で反抗的な主人公が狂う/死ぬ/心が折れて絶望する等の結末で虚無感のある後味を与えてくるが、本作の結末はマクマーフィ(ジャック・ニコルソン)の印象的な顔芸でそれを>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.3

DV夫の衝動的な死を目の当たりにしてPTSDの寡婦。ロンドンの喧騒を離れ田舎の貸別荘で気分転換するも、1人でゆっくり過ごしたい彼女にワラワラ寄って来るキモい男どもは、揃って同じ顔をしており──女から見>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.6

・コングが護衛艦隊の上を八艘飛び、高層ビル街をパルクール!
・極彩色の電飾が光る香港の街を切り裂くゴジラの放射熱線!
・ゴジラの背ビレの手斧で古代遺跡起動!
・ゴジラが放射熱線で地表から地球内部の空洞
>>続きを読む

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.4

任天堂に比べマイナーでマニアックなセガ作品の中でも、割に知られる看板キャラとして人気のソニック・ザ・ヘッジホッグの映画。初期予告編のソニックの顔のCGモデリングがもっと人間に近く「不気味の谷」とか「U>>続きを読む

今日もどこかで馬は生まれる(2019年製作の映画)

3.3

3兆円産業の華々しい中央競馬の舞台裏で、競走馬たちのセカンドキャリア、サードキャリアについて追ったドキュメンタリー。引退で繁殖馬になれるのはごく少数、6割程度は乗馬になるが、その他は……正確な統計は取>>続きを読む

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.7

世界的ミステリー作家で巨万の富を築いた富豪の死。脛に傷持つ親族のフーダニットか、と思いきや移民の看護師=ウソのつけないヒロインが軸の倒叙で、正直者に幸あれ、という寓話的なドラマに着陸。数々のオマージュ>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

3.5

剛腕刑事マ・ドンソクがヤクザを牽制して平和が保たれている所へ中国出身の朝鮮族マフィアが現れて滅茶苦茶に。奴らを何としてでも捕まえろ!──という明解な韓流刑事もの。マフィアは僅か三人で街のヤクザをシメて>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.1

「ミニオンズ」「ペット」などのIlluminationが日本発の一大タイトルをアニメ化。果たして期待に違わぬ出来。ブルックリンのしがない配管工のイタリア系兄弟が異世界の救世主に!──とファンタジーの王>>続きを読む

沈まぬ太陽(2009年製作の映画)

3.5

組合のリーダーで労働争議後の報復人事を受けて途上国に左遷され、日本に戻った時には会社が未曾有の大事故を起こしていた航空会社の社員の人生を描く山崎豊子原作のお仕事ドラマ。主人公の渡辺謙は本当に大変な境遇>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

3.7

恋する女性が文字通り“光”に満ちて見える特殊能力持ち男子を中心としたファンタジー恋愛劇。恋を理解するため本の虫となっているおっとり文学女子、活発な幼馴染女子、他者の恋人を欲する略奪愛系女子の三すくみで>>続きを読む

アクト・オブ・キリング オリジナル全長版(2012年製作の映画)

3.9

インドネシアで起きた虐殺の実行犯が自ら英雄的な目線で再現映画を作る様子を撮るドキュメンタリー映画。50年前、スカルノ大統領の下でクーデター発生時、「プレマン」というヤクザ集団が民兵化、共産主義者狩りを>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

3.9

テロ組織「マフティー・ナビーユ・エリン」の首魁ハサウェイ・ノアを描く「機動戦士ガンダム」続編作。荒廃が進む地球で市民をスペースコロニーへ強制移住させる組織、通称「マンハンター」が跋扈する中、腐敗した体>>続きを読む

大統領の理髪師(2004年製作の映画)

3.1

60〜70年代の軍事政権時代を、大統領の専属理髪師という立場の主人公を通して振り返る。ブラックな笑いと人情劇がふんだんに込められたコメディ。とはいえ、バカげたことに子どもがスパイの疑いをかけられて足が>>続きを読む

柳生武芸帳(1961年製作の映画)

3.0

柳生の秘伝の武芸書を巡り、柳生新陰流vs疋田陰流の剣士対決と、身分を偽り十兵衛に弟子入りするお忍びの姫と、亡国の姫とその近侍の運命が錯綜する伝奇時代劇。話はマクガフィンが各陣営の手に渡り歩く展開でいさ>>続きを読む

道頓堀川(1982年製作の映画)

3.5

美大生の真田広之と小料理屋の美人女将の松坂慶子、元伝説のハスラー山崎努とハスラー志望のドラ息子の佐藤浩市の四人が中心に大阪の道頓堀を舞台に繰り広げる青春劇。バクチに溺れた友人のカネのための裏切り、転落>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

世間が黒人作家に求める需要にウンザリした純文学者が開き直って「いっそ乱暴なスラング・銃・ドラッグ・犯罪まみれの黒人のステレオタイプな物語を書くぞ。これで満足か!」と変名で書いた小説が大ウケし映画化。今>>続きを読む

利休(1989年製作の映画)

3.6

茶人・千利休の秀吉との確執を描く歴史ドラマ。なぜ彼が死を賜ったのかの真相は歴史の謎なのだが、本作では物静かでも媚びない反骨のアーティストとして彼を描いている。たまさか茶の湯が流行したから時の人とされた>>続きを読む

バンクシー 抗うものたちのアート革命(2020年製作の映画)

3.5

道端の落書きからノシ上がるバンクシーのドキュメンタリー。バンクシーの初期衝動となったグラフィティの歴史、ステンシルを使って手早く描けるようになど作品傾向と評価の変遷、また同じブリストル出身のアーティス>>続きを読む

ゴーストバスターズ2(1989年製作の映画)

3.0

NYがスライムだらけで中世の邪悪な貴族が肖像画から復活するゴーストバスターズ2作目。人々の負の感情のオーラから発せられて地下に滞留するが、ポジティブな感情をかけてやると善にも転じる霊的エネルギーの塊と>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

3.4

タイトルの「許されざる者」とは誰なのか?──かつて札付きの大悪党だった主人公は無論だが、街の治安を守るため余所者を吊し上げる暴君のような保安官も、酔って娼婦の顔を切りつけた牧童や、彼を匿う仲間も、彼ら>>続きを読む

成龍拳(1977年製作の映画)

2.8

愛した女を冷酷に捨て、父と共に賊と戦う総督の息子が、女盗賊の境遇に感情移入してしまい、奇妙な関係へ?──武侠活劇にしては愛憎、義理人情、友情と裏切り、恩讐の絡む複雑な展開を見せる。上手く纏まれば良かっ>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

3.5

孤独な投資家の誕生日に仕掛けられた「ゲーム」とは……「セブン」のデヴィッド・フィンチャーらしくキリスト教的胡散臭さが満載。ヨハネ福音書を引いて「盲が開かれた素晴らしい体験だ」と曰うゲーム経験者の語りは>>続きを読む

スライ・ストーン(2015年製作の映画)

3.5

音楽がカウンターとして機能した時代の寵児、ソウル・ファンクの先駆者、人種・性別混合バンドのスライ&ザ・ファミリー・ストーンの歴代メンバーに話を聞きつつ、彼らの音楽の特徴とディスコグラフィーを追っていく>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

3.6

ゲイに関係を迫られ撃ち殺した少年期のトラウマから「普通」を目指す主人公。普通の女を娶り、大戦時には体制側だったファシストを志し、恩師を暗殺するため近づく。性の経験が思想全般に飛躍するのはいささかフロイ>>続きを読む

クロスロード(2015年製作の映画)

3.1

青年海外協力隊の50周年企画作品。ボランティアには冷笑的だが、写真家として箔をつけたくて協力隊に参加した主人公は、貧富の差が激しいフィリピンで酷い目に遭うスラムの少年を捨て置けず──説教くさい教則ビデ>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

3.3

メキシコに逃げた元妻から息子を取り戻すように昔のよしみで牧場主に頼まれた老カウボーイの冒険、みたいな話なのにやたらと牧歌的。老人+少年+鶏というチームの画が寓話的で、マフィアを顎で使う悪女からの逃避行>>続きを読む

銀河健康センター(2024年製作の映画)

2.9

水が枯渇した砂漠の惑星で“サウナ”という古代文明を復活させるSFサウナ小話。温室内で用いるロウリュ、砂時計といった道具は残っているが、使い方が失伝してロストテクノロジーになっている世界観がユニーク。基>>続きを読む

犬飼さんちの犬(2011年製作の映画)

3.0

犬が苦手なお父さんが、単身赴任から戻ってきたら、なんと家族が自分に黙って犬を飼っていた──という不憫な設定。オッサンに対する世間の扱いなんてそんなモンよ😭

けだし「中年の危機」と言えるほどの深刻さで
>>続きを読む

劇場版 ねこ物件(2022年製作の映画)

2.5

祖父から継いだ家を猫と住むシェアハウスとして貸す管理人青年と猫好き同居人たちを描くドラマの映画化。オッサンが観ると「若い身空で仕事もせず遺産と家賃収入で食って猫好きの仲間とヘラヘラしてるカスニート野郎>>続きを読む

モ’・ベター・ブルース(1990年製作の映画)

3.2

黒人音楽ものだがメロウな吹奏楽で始まるOPで意表を突く形。英才教育を受けジャズ界の新星となったトランペッターは自分本位の周りが見えない男。ギャンブル中毒の友人をマネージャーにして借金のカタにボコられて>>続きを読む

タイタニック(1997年製作の映画)

4.3

キャメロン監督の「エイリアン2」「ターミネーター2」に次ぐブロックバスター大快作にして、レオ様の美しき快男児ぶりを世に知らしめた主演代表作(本人は本作で定着したアイドルイメージを払拭すべく以降は演技派>>続きを読む

ペイルライダー(1985年製作の映画)

3.3

何処からともなく現れた風来坊なヒーローが悪党退治して去るという典型の西部劇だが、無駄をそぎ落として突き詰めればそれはエレガントな様式美。舞台はカリフォルニアのシエラネバダ山脈の雪の峡谷で、西部らしい灼>>続きを読む

アイガー・サンクション(1975年製作の映画)

3.2

モニュメント・バレーでの訓練やアイガーの目も眩む絶壁での登攀シーンは秀逸。スタッフの死亡事故もあった壮絶な撮影の苦労を思えば感服するばかりだが、ここに全精力を注ぎ込んだかと思うくらいに、美術教授の00>>続きを読む

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