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武士の一分(いちぶん)のtoriten45のレビュー・感想・評価

武士の一分(いちぶん)(2006年製作の映画)
3.1
叔母役の桃井かおりと、とくへー役の笹野高史の演技が独特な味わいがあって「さすがはベテラン」と感じます。特に桃井かおりは本当に自分の親戚にいそうな感じで思わず笑っちゃいました。

藤沢周平の小説を原作に山田洋次監督が描く3部作のラスト。『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』 に続きます。続きモノではないですが、共通しているのは明治維新に入るちょっと前の話であること、身分の位が低い武士で貧しい生活を送っていること、そして主人公が強者であること。

武士の一分の「一分」とは侍が命をかけて守らなければならない名誉や面目という意味だそう。お役目のために失明してしまった侍を支える妻と、一分を通すため復讐に挑む侍の姿がドラマチックに描かれています。

この盲目侍の姿をキムタクは見事に演じ切ったんではないでしょうか。

当時の庶民的な生活様式や、職場の様子も丁寧に描かれていて興味深かったです。また山形県庄内地域の言葉も三部作通じて聞いてると馴染んだ気にもなり、たいへん耳に心地いい。
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