全編、なんかトンチンカンなナレーションが入る。興を削ぐとまでは言わないにせよ、どうしても違和感を覚えてしまう。高知―大阪という、5歳児にはあまりにスケールのでかい旅行のモチベーションを、ナレーションで解説するというのもちと寂しい。
が、見どころも多い。無賃乗車あたりまえ、時には往復までカマす岡本健少年のタフさには恐れ入った。年端もゆかぬ子どもになんかさせるだけで面白いという点で「ひとりでできるもん」の精神的パイセンといった趣あり。ミヤコ蝶々との序盤のせめぎ合い、トラックでの生たまねぎ(?)丸かじりなどの珍プレーも素晴らしい。大人たちがみな優しい&わりと放任気味なのも時代ゆえのおおらかさを感じる。
画的にはやはりペプシの看板、あれは誰しも忘れられないのではないでしょうか。
あと宇津井健の、なんだろ、画面からのせりだし力には改めて感服した。実物出てきて以降の、画面の支配力っていうか。