エイプリル

未知との遭遇のエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

未知との遭遇(1977年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

エイリアンものといえば、全く話の通じそうにない未知の相手か悪意ある侵略者、みたいな映画が多い中、非常に友好的で普通にコミュニケーションもできるエイリアンが出てくる映画で、ある意味で今の時代に見ると新鮮で良かったです。
なんというか、まだファーストコンタクトとかUFOというものに期待を持ててた時代の映画って感じです。
序盤は色んな人の視点で進むので、どこを目指した話なのかよくわからなかったのですが、息子が誘拐されたり街が大混乱するようになってからが本番で面白いです。発狂して土とか木を家にぶちこみまくるロイ、めちゃくちゃ怖かった。

音を使ってUFOとコミュニケーションを取ろうとしてるのも映像の良さもあって妙に感動的でした。
「我々に言語を教えようとしてる」みたいなセリフがあるんですが、エイリアン側に「先進文明としての自覚」がありそうで、その辺も面白いな…って思って見ました。
出てきたのがグレイタイプのレトロなエイリアンだったの、白けるどころか、これもなんか逆に珍しくて興奮してしまった。
UFOと人間が機械通して喋ってる時はお互いめちゃくちゃ饒舌だったのに、いざ対面してみたらどっちも全然喋らなくなってしまうの、人見知り同士のオフ会みたいで笑いました。

ただちょっとストーリーは、主人公が蚊帳の外すぎて、息子も普通に何か主人公が努力をしなくても帰ってくるし、微妙な感じでした。一般人目線からのUFO騒動を描くにしては主人公の思考とか行動スタイルが一般のそれとは全然違うのであんまりそれも表現されてないな…って感じで、あんまり没入できる感じではなかったです。
それでも今作は映像が良かったし、ファーストコンタクトものだからといって変に奇を衒った感じもなく素直に面白く見れました。とにかくでかいUFO、今も色褪せない感動があると思うのでぜひ見てもらいたいです。
でもやっぱり令和の時代の人間は悪意のあるエイリアンを見過ぎているので、地球人がUFOから戻ってきた時、「これ人間爆弾として改造されてたらどうしよう」とか「帰ってきたのは実はコピーで、オリジナルはまだUFOの中にいるとかだったら怖いな」みたいに思ってしまった自分が嫌になりました。
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