細谷しゅうへい

ゴーストワールドの細谷しゅうへいのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.6
今まで見た事ないような不思議な映画。
個人的にはとてもとても好みで大切にしたいと思える作品だった。

イーニドの行動は破滅的な衝動に突き動かされていて危ういけど、人に愛されたいというピュアな心も持っていて
そんな両極端で不器用な言動が
自分の友達を想起させて
とても愛らしく感じた。
人を馬鹿にして悦に浸りたいけど、人に愛されたいんだよね。
あんな馬鹿みたいな奴らと一緒にされたくないけど、そんな自分も馬鹿の一人なんだと分かるくらいには客観的思考を持った聡明な人間。だから自分の不可解な行動が許せないんだろうな。

イーニドがシーモアと酒を飲みながら語るシーンで、誰にも言わずにどこか違う所へ行きたいと言ったシーンが印象的だった。
僕は見ながら、あこれ自殺したいって言うんだろうなって嫌な予感がしたから
自殺ではなくてどこか違う所で生きたいって願望が自分の為に未来へ向いてて
なんかもうそれだけで希望を感じて泣きそうだった。

自殺なんてしなくていいから、どこか別の所で誰にも知らずにひっそりと生きてくれていたらって思う。

風変わりだけど愛に溢れた作品だった。
大好き。