その男、凶暴につきのべのレビュー・感想・評価

『ソナチネ』でもそうだけど、武の醸し出す静かに燃えている炎のような、あるいはピンと引っ張ったミシン糸のような、そんな緊張感が本当に格好良い。
作中で丁寧に各人のひととなりや背景を描きながらも、各々の死の瞬間はあまりにも唐突に訪れるところに北野映画独特の嫌な死のリアルさがあると思っていて、更にそれが上述の緊張感によって作中全体の通奏低音として仕立て上げられているのかなと。