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バビロンの陽光のmhのネタバレレビュー・内容・結末

バビロンの陽光(2010年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

おばあちゃんと孫が、息子/お父さんを訪ねてイラク、バクダットを目指すロードムービー。
アットホーム、コメディタッチにはじまって、尻上がりにシリアスになっていくという展開。
映画産業が崩壊したあとのイラク映画なので、手間がかかるみたいなことを監督さんが(映像特典で)しゃべっていた。
撮影したフィルムをロンドンで現像とかしてたようだ。
ただ、それだけにシナリオは万全だった。
ストーリーの進行とともに探している父親は死んでいることがわかり、旅の目的が遺体探しに取って代わる。
父親と同じ兵士になりたい孫が、父親が兵士になる前と同じミュージシャンになりたいと夢を変えるというプロットがいいね!
バース党政権下に起こった虐殺についての映画にもなってて、「カティンの森」にコンセプトは似ている。
こちらのほうが明るいのは、主人公を少年にしたせいかもしれない。
戦争と暴力をなくすために何が必要かと問われたら、若さと知性と答えたい。
アラブ人とクルド人は言語が違ってコミュニケーションが取れないとかもうまくストーリーに盛り込んでいた。
親切なおじさんが親切すぎるまま退場したけどなんか怖かった。
ラストのぶったぎりかたも素晴らしい。
そうか、親切なおじさんはラストシーン以降のフォローか。
そういや、空中庭園が待ち合わせ場所みたいなこといってたな。
親切なおじさんがいたから、おばあちゃんは安心してしまったのかもな。
面白かった!
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