菩薩

聖杯伝説の菩薩のレビュー・感想・評価

聖杯伝説(1978年製作の映画)
3.6
田舎の坊やが「僕ちん、騎士になるっちゃ!ナイトになんないと!」と家を飛び出し、みるみる頭角を表したかと思いきや5年間記憶が飛び、最終的にキリストの受難劇に持ち込むナックルボールコメディ(?)。脱力系のパラジャーノフと言うかブレッソンと言うか、いやむしろスーパー贅沢な文化祭の演劇の出し物と言うか、それよりもファミコンのドラクエの世界に入り込んじゃった!なんてのが適切な表現の様な気がする。この作品を果たして詰め掛けた観客達はどう観たのか、きっとほとんどの人が「はっ?変なの…」な気がしてならない。とりわけディフェンスに定評のある池上、じゃなくて台詞回しに定評のあるロメールだからこそ、この作品のほぼ説明台詞中心の作り方はより異質に観える。しかもこの説明台詞ってのが本当に「私は今から〜をします。」と言った感じ、凄く分かりやすくて助かるけど本当に変な感じ。安定感のある植草、じゃなくて安定感のある恋愛ゲームを続けて観てきたから終始物足りなさもつきまとうのが正直なところだけど、つまらないかと言われればむしろ面白いし、ロメールもこんなふざけてる方のオリヴェイラみたいな作品が撮れるのかと、負けん気の強い越野、じゃなくてロメールの新たな一面が見れた気がして、これはこれで新鮮だった。まぁ要するに陵南で言うところの仙道でも無く、魚住でも無く、これはフクちゃんだ、本当にロメールの「もっとホメてくれ。」って声が聞こえてるくらいフクちゃんみたいな作品だったし、出てくる女優陣は相変わらず1人飛ばさずともべっぴん揃いだったし、むしろ今まで観た中では最高に可愛い子ちゃん大集合だったんじゃないか…。そんなんで俺は今生きてるのが辛いから、家帰ったら去勢しようと思うし、その前にスラムダンク読みたい。いや、面白かった、よね?これはなかなか評価に困る作品、でも嫌いじゃない。
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