デイジーベル

スターマン/愛・宇宙はるかにのデイジーベルのレビュー・感想・評価

3.7
「チャーン♪ チャララーララー♪」

◯作品と概要◯
″出会い″と″別れ″を描いたハートウォーミングなラブストーリーであり、カーペンター監督らしからぬ異色の傑作。大人版「E.T.」のような感じといえばわかるだろう。(そして珍しく″女性に好まれる″作品となっている)更に「ジャック・ニッチェ」(カッコーの巣の上でが有名)による、優しさに溢れた旋律の音楽が今作の異色さを際立たせている。※スターマンの変身シーン(SFボディスナッチャー風)は、リック・ベイカー、スタン・ウィンストン、ディック・スミスという特殊メイクの巨匠達の合作という贅沢っぷり。

◯ストーリー◯
_(┐「ε:)_ 宇宙船を撃ち落とされて帰れなくなった宇宙人が、人間に協力してもらい故郷の星に帰る為、共にアリゾナを目指すロードムービー。

◯感想◯
「ボイジャー」に乗せたメッセージ「地球に来てください」を受け取り″友好″を目的でやって来た宇宙人を、″侵略″と決めつけてミサイルで撃ち落とす所から物語は幕を開ける。(「マナー的に呼ばれたからといって勝手に侵入しないで、一声かけてから訪問しましょう。」って事なのかも知れないが、突っ込まずにはいられない。)前半は宇宙人に脅されてると思い行動を共にするので、ホラー的要素も少しは見受けられるが、後半は完全に感動ラブストーリー的に展開する。スターマンを演じる″ジェフ・ブリッジス″とジェニーを演じる″カレン・アレン″の好演がとにかく光る。(アカデミー主演男優賞ノミネート)地味ながらも物語がシンプルで感動出来る作品。ラストはカーペンターらしく蛇足が無く、1番良いところでスパッと終わるのが堪らない。

個人的には今作から「ターミネーター」を連想した。(全裸での登場、宇宙(未来)からやってくる、軍(ロボット)からの逃亡、一緒に逃げてるうちに愛が芽生えそして……と同じプロットがある為だろう。)


◯雑記◯
カーペンター曰く、「金の為に撮った」という″愛″がテーマのハートフルな作品。気恥ずかしくて誤魔化しでそう言ったのかも知れない…などと勘ぐってしまう。(´ω`)
※続編のテレビシリーズが作られたらしいですが、未視聴です。