真鍋新一

黄金の眼の真鍋新一のレビュー・感想・評価

黄金の眼(1967年製作の映画)
3.4
007→ルパン三世の間を埋めてくれるイタリアの泥棒アクション。邦題は一応内容に沿ってるのだが、原題通りヒーローの名前を推してもよかった。『未来派野郎ダイアボロック』って感じ。たぶん同じオシャレ泥棒映画『黄金の七人』にかこつけたのだろう。

その主人公・ダイアボロックの秘密基地がすごい。なにに使うのかよくわからんが、なんだかすごそうな機械がたくさん。そこにあるラブホよりも趣味が悪い超巨大回転ベッドにお札を盛り盛りに乗っけて、そこで金髪の美女と情事に耽るという、こんなに頭の悪いシーンは観たことがない。

そのヒロインも峰不二子なみに超有能。服っていうか、ヒラヒラした布を羽織ってるだけでほぼ全裸みたいな服は60年代のファッション資料としても価値がありそう。

秘密基地のセットはやたらデカいが、その他のシーンではミッションの舞台となる古城の外観をすべてミニチュア合成で済ませたり、悪役(本家007ヴィランのアドルフォ・チェリ)の飛行機に乗り込むシーンでは、遠近法で手前に飛行機のミニチュアを置いてシルエットにするなど、大胆すぎる特撮カットも見どころ。

そんでもってエンニオ・モリコーネの音楽がとにかくゴキゲン。エレキインスト、ゴーゴー、サイケ、ラーガ、ラウンジ…60年代後期の流行サウンドのごった煮だった。サントラレコードはさぞかし名盤だろう。

ただ、愉快な場面が多い割にテンポが単調だったのが残念。
真鍋新一

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