Godfather

私を抱いてそしてキスしてのGodfatherのレビュー・感想・評価

私を抱いてそしてキスして(1992年製作の映画)
3.7
家田荘子の原作を読んで感銘を受けた南野陽子が、東映に企画を持ち込み映画化された、日本初のAIDS啓蒙映画とも言える作品だ。当時はナンノが役作りのために極端にダイエットしたことばかりが話題になってた気もするけど。

劇中に描かれるAIDSへの無理解やHIV感染者への偏見の凄まじさは今みると驚くが、当時の世間一般のAIDSへの理解度は実際このような感じだった。

ストーリーは... 圭子(南野陽子)とあきら(赤井英和)とのからみの部分はあまりに安直な展開で、映画の記者会見でもナンノ本人もそれを認めるようなことを言って物議を醸した記憶があるが、それ以外はよくできた映画だと思う。
まだ昭和臭の残る陰気な雰囲気の演出も映画の内容にはよくあっている。
ジャーナリスト役のみゆき(南果歩)が特にいい。この映画のもう一人の主役とも言える。家田荘子の原作は読んでないが、おそらく原作は映画でいうところのみゆき視点で描かれてるのだろう。

この映画から30年たち、発症はだいぶコントロールできるようになってきたとはいえ、AIDSはいまでも完治不能だ。早く直せるようになるといいのだが。
Godfather

Godfather