seapony3000

みれんのseapony3000のレビュー・感想・評価

みれん(1963年製作の映画)
5.0
池内淳子ほんと素晴らしい。夫と子どもを捨てた女は愛人に酌をさせる。なぜそうなったかを省略できる説得力がある。面倒みはいいけど、ガサツに男を傷つけるし、まだまだ恋愛に振り回される隙だらけの女。枯れた仲谷昇と、貧乏から返り咲く仲代。どちらも歩き方ひとつで演じるけど、やっぱし仲代のクリムゾンアップ。汗だくでパンツ一丁、骨折してみせるがっしりした下半身。岸田今日子に責められてタイルを叩き破る悪夢から、妻子が留守中の湘南の宅で風に揺れるワンピース。心中騒ぎのあの日から死人のような仲谷昇だが、その妻までも生き霊のように池内にまとわりつくホラーな描写、千葉泰樹らしさ。「鬼火」などもまたみたくなった。しかし西村晃と山岡久乃のコンビ悪かったなー。クリスマスのコスプレぽい衣装もよかった。仲代のアパートで汗かいて寝ている池内淳子との撮影も凝っていた。

内容すっかり忘れていたのでみにいってよかった。このまま池内淳子みたいに日光にでも行きたい気持ちだったけど、次の映画をみるので神保町の喫茶店でコーヒーを飲んだ。池内淳子と仲代が飲んでいたから。すぐ影響されるお調子者。
seapony3000

seapony3000