アキ・カウリスマキによる"労働者三部作"の第三作。
TVで流れる学生デモの鎮圧ニュース。主人公は義父に疎まれ、家を追い出されようとしている。異端な者は排除されるという現実を突きつけられます。そしてきっと主人公自身もその現実に気づいている。彼女の仕事はマッチ工場で不良品の検品をすることだから。しかし、その諦めに似た受け入れこそが彼女の強かさの所以であり、今作を貫く悲壮感なのだと思います。
マッチ工場で働く彼女が遂に自分でマッチの火を着ける瞬間、復讐の火蓋が切られる。マッチの使い方が最高なのです。
2024/01/24 1回目
【2024年31本目】