マインド亀

スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!のマインド亀のレビュー・感想・評価

3.0
あのスーパーマリオブラザーズがまんが映画になった!永谷園がスポンサーだよ!

●Illuminationによる『ザ・スーパーマリオブラザーズ ザ・ムービー』が世界的超絶大ヒットの風を受けて、『魔界帝国の女神』も見直されてきておりますが、いやいや、こっちの作品も見直さなきゃだめでしょー!ポスターアートを、ググってください!『まんが映画』という表現をされてますが、時代感感じますよね!こういうのはちゃんと公式がアーカイブして時代に埋没させちゃだめだと思うのです!

●ポスターアートこそは、スーパーマリオ一作目のビジュアルアートですが、本編は全く違いますね。この当時はニンテンドーもIPビジネスにはおおらかで、『魔界帝国の女神』の交渉で値下げに応じた時の話なんかは最高なんですが、恐らくこのまんが映画も、なぜか当時蜜月の関係だった永谷園やら松竹やらホリプロやらに外堀を埋められた形なんでしょうか?

●キャラ設定はいちいち違うしオリジナルキャラはたくさんでてくるし、ストーリー上の(特にピーチ姫によるとんでもない)大どんでん返しなんかはファンにとって許せない内容かもしれません。しかしそれは未来人である我々の視点であって、それにいちいち目くじらを立てるのはおかしいのでやめましょう。当時はそもそものスーパーマリオの世界観もわけがわかりませんでしたし、自由な解釈の余地はたくさんありましたしね。当時はアニメとして動いてるだけで嬉しかったし、観に行ってがっかりする、というのも当時の原作付アニメのお約束でした。

●まずもってオープニングの音楽はビバップ!ルイージは青色で、性格は汚い守銭奴!(このカラーはスマブラのカラバリに逆輸入されたことがあるのだとか。)仕事はグロッサリー店です。キノピオはカワイイ侍女。この辺の違いを思う存分楽しみましょう!現代の我々はIlluminationによる『正確な』アニメを観ることができるのですから、これくらいの余裕を持てるのは現代人の特権です。

●そしてなにをもっても、クッパ役の和田アキ子!いやこれ上手ですよ!アニメキャラとしての声の出し方をわかってらっしゃる!ジャック・ブラックか和田アキ子なら和田アキ子を取りますね!ザ・ムービー日本語吹替え版は和田アキ子にしてほしかった…
ちなみに和田アキ子はアッコにおまかせでマリオの話題が出るたび、このアニメでクッパをやったことを言うので、相当思い出に残る仕事なんでしょうね。この前のアッコにおまかせでも、マリオザ・ムービーのヒットが取り上げられた時に、本作のことを楽しそうに語ってました。そしてピーチ姫が山瀬まみ。恐らくストーリー上ではレイア姫のイメージでマリオに助けを求めてきますが、この絶妙な下手さも当時の雰囲気が出てて良い!オテンバな姫という設定も、今の女性リーダーとして敵陣に乗り込んでいくピーチ姫像に通じるものがありますね。
ちなみにピーチ姫はテレビゲームのなかから登場しますが、この現実と非現実の境目が無くなる仕掛けは、今のマリオザ・ムービーに重なります(でしょうか?)
マリオ役の古谷徹やルイージ役の水島裕も、実はこのあと『てれびっこ』専用ソフトでもマリオブラザーズを演じており、実は長い間マリオブラザーズを担っていたのです。

●作画はカートゥーンっぽくて、最初は海外アニメかと勘違いするくらいアクの強い絵柄ですね。恐らく『マリオ』というイタリア人っぽい設定に、合わせたものかもしれませんが、グロッサリー店の美術や脇役のおばあさんの絵柄も懐かしいカートゥーン風味になっております。

●本作はVHSのみソフト化されており、配信は愚かDVDも出ておりません。なので大変貴重な作品でございますが、なんとかすれば観ることが可能な作品なので、観られる人は是非観て、楽しんてほしいです!本当か嘘かはわかりませんが、本作からゲームキャラのメディアミックスが始まったといっとも良い、というくらいの貴重な作品です!
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