韓国の聾学校で実際に起きた、教員等による生徒への性的暴行が日常化していた事件を題材にした作品。
公開後に「トガニ法」が制定されるほど、韓国社会に衝撃と影響を与えたものすごい作品。
年に数回、この手の映画を観ます…。
罪のない人々が、理不尽な暴力や勝ち目のない権力に追いやられ、何も変えることのできない無力な主人公に、自分を照らし合わせる…。
そして観る度に「こんな悲惨な事実を、私は何も知らなかった」と悔やみ、悔やむ度に「知ってたところで自分に何ができたのか」の魔の自問自答ループ。
考えすぎではないか、と何度も思いました。けれど、同じことを繰り返すということは、自分の中に「何かを変えなければならない」という思いがあるからです。
年に数回、その事を気づかされては、答えが見つからぬまま、私はやり過ごしてきました。
しかし、この映画の主役であるイノの言葉に、それが全てではないけれど、確実に一つの答えとなるものがありました。
(ネタバレ注意)
「 この子は聞くことも、話すこともできません。
この子の名前は、ミンスです。
忘れないで。
この子の名前はミンスと言います。 」
今もミンスや他の被害者である子供たちのことを思い出しながらレビューを書いています。
涙が止まりません。
私なんかにできることは、こんなにも単純で、それでもとっても重要なことでした…。彼らのことを忘れない。この事件を忘れない。
同じ過ちを繰り返さない為に、彼らの苦しみや闘った日々が無駄にならない為に。
でもやっぱりこの手の映画は年に数回が限界です。観た後に残るやりきれない思いが数週間、数ヶ月と続くので。