kazマックスグローバーレッド

愛と復讐の挽歌のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

愛と復讐の挽歌(1987年製作の映画)
3.5
『男たちの挽歌』が日本公開されたあと大量にビデオスルーされたチョウ・ユンファ主演香港ノワール物の一本。当時は七三オールバックのチョウ・ユンファに違和感があり、邦題も『愛と復讐の…』って何か昼ドラみたいなドロドロ感あるタイトルなので敬遠して未見のままだった。

暗黒街の顔役サイとかつての右腕だったユンが対立し、そこに裏稼業から足を洗ったクォが仲裁に入るも何かゴチャゴチャして最後は大量虐殺大銃撃戦で前半のストーリーなんかどうでもよくなるいつもの香港ノワール。

若き日のアンディ・ラウが共演、ヒロインはトニー・レオンの嫁さんカリーナ・ラウと映画『霊幻道士』の悲しき女幽霊ポーリン・ウォン。途中で頭を撃ち抜かれたポーリンさんがチョウ・ユンファに肩を抱えられて敵から逃げてるんだけど、どう見ても少し歩いてる…、まだ霊幻道士の女幽霊役が抜けてないのか。

ラストはチョウ・ユンファとアンディ・ラウと無名ザコキャラおじさんの3人が敵の豪邸アジトに乗り込むも案の定、無名オジサンは撃たれまくって蜂の巣状態。
二人だけになったユンファとラウの前に立ちはだかるのは数十名の敵の手下たち。
そこでユンファが取り出しのはグレネードランチャー。この攻撃で手下たちは大爆炎風にガチで巻き込まれ、死人が出てるんじゃないかと思わせる程の大迫力。この映画で一番凄いのは名もなきエキストラ俳優たちでしょう。
爆風でもっと凄い吹っ飛び方をする手下役はさすがに人形を使ってた。

何発撃たれてもまだまだ元気なチョウ・ユンファ、クサい演技に雑な編集と大げさな劇伴、毎度のことながら香港品質はしっかりと保たれています。劇伴は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に似ているエンリオ・モリコーネ調。だからなのかワンアメのデ・ニーロを意識してユンファもオールバックでキメてたのかもしれないね。