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訣別の街のumihayatoのレビュー・感想・評価

訣別の街(1996年製作の映画)
5.0
アル・パチーノって時点で予想できるラストな訳ですが、今回も見たいパチーノ全開で嬉しかった。

とある市政の腐敗。
その裏にある"とっくに政治に対する初心を忘れてる"男達による、"友情"や"信義"を盾に取った公私混同。権力の私物化。
それを暴くのが警察でもメディアでもなく政治家ピッカピカ一年生の市長補佐官だというのが、なんともお粗末であるけれど、与党も野党も「お友達優遇政党」がなんの追求もされず追い風である現代日本に置き換えても、なかなか無視できない映画であろう。
(映画としての面白みやフックに欠けるのが残念なところだが・・・笑)

三権分立や法の下での白黒、いわゆる「公」の話をしてる時に「グレーがあるんだ」とか言って話をはぐらかし、人情の話に転がして感情に訴える政治家ほど危ないものはないが、しかしそんな政治家ほど、今作のアル・パチーノの様に人間的な魅力に溢れていたり、それっぽい政策も実行していたりするものなのだ。

そこに騙されないというか上手く政治家の手綱を握る様になる為には
有権者が"公と私"の区別を理解してる必要があると、最近本当に思います。
権力者同士しか介在しない人情の為に、市民の為の法や経済活動の平等性が捻じ曲げられる事はあってはならないのです。
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