軍事で甘い汁を吸った財閥をはじめとする「戦地に行かなかった者たち」が
かつて自分達が社会を支配できた(家父長制を始めとした)価値観を、他人の命を蔑ろに(今作では731部隊をも示唆していますね)して永続させようとしたり。
戦争や対立を望まず、それがない世界をつくれる可能性を秘めた子供達の魂を権力や経済合理性の理論を持ち出して剥奪したり。
ありもしない脅威を過激に喧伝して対立や国粋主義を煽ったり。
この現象は今作の様な戦後すぐの時代だけでなく、周りを見れば今の時代でも見られる悪しき習慣であり、資産家や政治家だけでなく、多くの庶民もその論理に流されつつある現代は水木しげるが危惧した未来よりも危機的な状況ではないかと思う。